2011年6月27日月曜日

飯舘村の復活を信じて 


荒れた田畑が目立った飯舘村

 福島市と南相馬市を往復する途中、放射線量が高いといわれる飯舘村を通る。4月上旬にはところどころに根雪が残り、計画的避難区域に設定されていなかった。約3カ月後。土に覆われていた田畑には雑草が生い茂り、人の手が行き届かない荒れ地が目立った。

 「飯舘牛というブランド牛があって、村の人たちは畜産業に頑張っていたんですよ。この村はどぶろく特区にもなっていて、酒もおいしかったんです」。車中で福島県立医大の鈴木眞一教授がこう教えてくれた。「どぶろくの飲める店」と書いた看板が目に飛び込んできた。

 畜産業と農業を基幹産業として生計を立ててきた村は今、ゴーストタウンになった。役場も福島市内に移り、家々は雨戸が閉め切られた。

 この村に再び明かりが灯る日を信じたい。長崎が荒野から復活したように。おいしい飯舘牛も、どぶろくも、必ずファンの口に入る日がくるように。